みなさんはSF小説って読みますか?
自分はごくたまに読むくらいでほとんど知りませんが、
SF小説の独特のストーリー展開や話を構成するメカニズムは大好きです。
「泰平ヨンシリーズ」のスタニスワフ・レムや、
「星を継ぐもの」のジェイムズ・P・ホーガンなど読んでいてワクワクしますね。
ところで中国のSF小説というのは初めて読みました。
これが本国では2100万部という凄まじいヒット作品だそうで、映画化も間違いなしと噂されているそうです。
いったいどんな作品なのか?
興味本位で翻訳版を購入したら…凄いおもしろかったです。
中国の超ヒットSF小説「三体」とは?
ネタバレ無しで解説いたします!
以下を読めばどんな話かなんとなく伝わるはず…?
いったいどんな話なのか?ネタバレ無しで解説
舞台は中国で、過去の話と現代~おそらくちょっと未来をからめて、科学者を主人公に物語は進みます。
おもに現代のある科学者が主人公として話は進むのですが、最初に少し過去の話が挿入されており、これがまた歴史小説みたいで骨太でカッコいいんですよね。
そして、現代の科学者に不思議な出来事が起こり始めるパートになるとエンタメ感が炸裂して、謎が謎を呼びます。
途中、「え?これ本当にSF小説なの?」と思うときもあり、過去に読んだことが無い「中国の作品」ということで、どんなノリの話なのか最後まで予測できない、というドキドキ感もありました。
現代の発展した中国の暮らしと、過去の貧しかった時代の縦軸のギャップ。
また欧米や日本などの西側のカルチャーから見た、独特のエキゾチックなイメージ。
古代の中国皇帝に捧げられた、星占いの話など「ああ~なんか聞いたことある!」と思いました。
登場人物の名前覚えられない!
登場人物もたくさんいるのですが、多くの中国人が出てくるので名前が漢字乱舞でしばしば「あれ?だれだっけ?」となります。
まあ翻訳物小説あるあるですけど、カタカナでないためか音で覚えられません。
同梱されていた人物表が日本語読みも書いてあって便利でした。
科学者でない登場人物で、史強(シー・チアン)という元軍人の警察官がいるのですが、
これが最初は本当にいやーな奴で、科学的考えやSF小説的な世界観の敵みたいな奴なんですが、
ストーリーが進むと…、という部分がまた楽しいんですよね。
これ以上は是非、本作を読んで確認してみてください。
実際に翻訳版の本文が一部公開されているサイトがあります
こちらは本作のうちごく一部にすぎません。
このハリウッド映画にありそうなエンタメ展開の部分以外にも、
- 文革時代の中国の混乱と悲劇を描いた章。
- VR世界での過去の文明のような架空世界を描いたシーン。
- 科学を超越したかのようなオカルト的とも言える現象が起きるシーン。
- そしてすべての謎や伏線?がある事柄へ収束していくダイナミックなシーン。
と、見所は幅広く、まるで何本かのジャンルの小説を同時に読んでいるかのような気分になります。
中国のみならず、地球すべてを巻き込む壮大なSFエンターテインメント作品です。
「三体」の続編は?映像化はされそう?
「三体」はシリーズの第1作目です。
2作目と3作目が中国では既に発売されているそうです。
翻訳版続編は?
すでに翻訳版を読んだ方はご存知のとおり、2作目の翻訳版が来年2020年に発売予定とのことです。
作品の続きが本当に気になる内容でしたので、来年が楽しみですね。
映像化は?
「三体」作者の劉慈欣(りゅう じきん)さんの小説「さまよえる地球(原題:流浪地球)」は映画化されており、
「流転の地球」というタイトルでNetflixで配信中とのことです。
当然、三体シリーズも映像化は絶対するでしょう。
本国ではこのシリーズの影響で、ちょっとしたSFブームが起きているらしいです。
ソフトパワーとして中国発のオリジナルコンテンツを強力に発信したいという思惑も強く後押しするでしょうし、ハリウッド大作映画の出資会社として中国の企業がおなじみになった昨今、かつてない規模での展開も予想されます。
もしかしたら、Netflixと中国資本が共同出資し、ドラマ版として制作するかもしれませんね。
中国版のネトフリの会社もあるそうなので、どちらにも配信されるみたいな感じで。
また、ひょっとしたら日本のプロダクションIGさんあたりがアニメ化する…。なんてこともありそうですね。
三体、感想 – まとめ
まだ呼んでいない方は、是非おすすめします!
SFファンでない方も最後まで読むとびっくりの展開が待ってますよ。
ニュースなどでも中国の目覚しい経済発展や、米中の貿易戦争激化、5Gの技術がすげえ!などなどの話題などはバンバン入ってきます。
そういうもろもろも含めて、本当に「今」読むのが楽しい作品です。
ではでは~。
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