皆さんアイドルの「特典会」ってご存知ですか?
握手会とかチェキ撮影などが行われる楽しいイベントのことです。
僕は2016年頃から、少しずつ女性ライブアイドルグループにはまり、今では毎週のようにライブハウスへ通っています(2022年追記:コロナ以前の状況が懐かしいです。)。
自分がライブアイドル(地下アイドル)にはまったのはこの「特典会」があったから…と、それだけではありませんが、かなり重要な要素です。
ついついお金を使いたくなる魅力的なアイドルの特典会。その世界の秘密はいったい何か?迫ってみました。
地下アイドルの特典会!ライブパフォーマンスとの相乗効果で価値を演出!
僕が通っているのは、主にライブハウスなどを中心に活動する「ライブアイドル(地下アイドル)」のイベントです。
ライブアイドルとは、簡略に説明すると「ライブハウスで活動するインディーズのアイドル」のことです。メジャーレーベル所属のグループで、でもライブ活動が中心です、という場合もあるので必ずしもインディーズとは限りませんが、多くはTV芸能界におけるタレントとは別の存在です。
そして、ライブパフォーマンスに加えて特典会も重要で、これらは双璧であり、セットです。
ライブを観て→特典会でアイドルに会う、これがライブアイドルのイベントの類型ですね。
この組み合わせがお互いに相乗効果を上げてライブアイドルのお客さんが熱狂的にはまる秘密となっています。
ちなみに1回のライブイベント、いくらくらいお金使うの?
ライブチケットが1,000円~3,000円前後、特典会に参加するための特典券というチケットが別途1,000円~2,000円ほど、ドリンクチャージ(ライブハウス入場時に必要なドリンク料金)が600円。
合計で、2,600円~5,600円といった感じでしょうか。
ただ、特典券はたくさん使用するためには買い増す必要がありますので、さらにお金を支払う見込みも当然あります。
その他、交通費(遠方から都心に来る等)、ドリンクやフード(食べ物を販売しているライブハウスもあります)、アイドルのCD・グッズなどの物販もあります。さらに、いわゆる「オタク同士の付き合い」ということで、帰りに飲みに行ったりするなら予算はさらに必要ですね。
ライブパフォーマンスとは?
これは読んで字のごとくです。歌って踊る、生のステージを鑑賞するものです。
鑑賞という表現におさまらない、客席の盛り上がりもライブの特徴ですね。声援やボディランゲージがたいへん豊かです(例えば自分が通っていたアイドルのライブでは、絶叫するコールとロックイベント顔負けのモッシュがおなじみでした)。
ライブハウスというと楽器演奏をするバンドのステージが思い浮かぶかもしれません。それと同じように、アイドルの場合もオケトラック(ボーカルを抜いた音源)に合わせ、ステージで歌い、パフォーマンスします。
ここで注目すべきポイントは、彼女たちがステージ上の特別な存在として価値を獲得しているという仕組みです。
ライブアイドル事業のマネタイズにおける重要な仕組みがここにあると思います。
ただ可愛い女の子たち、ではなく、彼女たちを「アイドル」という特別な存在に変える儀式=ライブパフォーマンスなのではないでしょうか。
特典会とは?
ライブ会場では物販エリアが設けられます。
そこではグッズ(CDやTシャツ、バッジやシールなど)が購入できたり、アイドルと交流するための特典券が買えます。
ライブパフォーマンスが終わった後に行われる特典会に参加するには、特典券と呼ばれるチケットが必要です(ライブの前に特典会がある、というケースも皆無では無いです)。
特典券の呼び名が「チェキ券」という呼び名であったり、券の形状が紙チケットではなくプラスチックカードやコインやギターピックであったり、とグループによって個性があります。
これらは券そのものを直接購入できる場合もあれば、CDなどのグッズを購入した金額ごとに応じて券がもらえる、というルールのグループもあります(特定のイベント時にルールが変わるケースもあります)。
特典会の内容は「チェキ撮影」「会話」です。
特典会=チェキ撮影のような図式があるくらい、メジャーな催しです。
前述したように「チェキ券」という名称であるのも、ずばりその通りです。
どちらかといえば握手だけの特典会=握手会というのは大手グループのイメージが強いですね。
特典会の会話は1分前後という場合が多いのではないでしょうか?
アイドルとの会話=交流するのことが目的なのか、それともチェキ撮影に付帯する挨拶などやり取りが多少拡張したものであるのか、考察すると奥深いですね。
いったいなぜアイドルとチェキ撮影したいのか?
それは、先ほどのライブパフォーマンスで彼女たちが「特別な存在」になっているからです。
多くのお客さんに熱狂的に支持されているステージ上の彼女たち…。
そのライブパフォーマンスが終わった直後に、同じ会場で対面で彼女たちと交流できる!!
これが、特典会の楽しさの秘密だと僕は考えています。
そして、特典会で交流したアイドルには親しみがわくものです。
もっと応援したい!という気持ちが次回のライブパフォーマンス、ステージを楽しく観るための伏線にもなるのです。
「直接話して知り合えた女の子のステージ」という見方になるわけですから。
このように、ステージ上の非日常(ライブ)とステージ下の非日常(特典会)が相乗効果的に演出されています。
チェキ撮影の楽しさ、流れなど
チェキ=インスタントカメラでの撮影は、お目当てのアイドルに特典券を用意して並ぶところから始まります。
特典会が開始されると、多くのファン(アイドルヲタク)が整列することで、独特の特典会ムードをつくります。
このムードの中、わくわくしながら列にならぶことで、少しずつ気分が高まっていき、特典会の特別感が演出される効果があると感じます。
そして自分の番が来ると、アイドルと2ショットでチェキ撮影です。
ここは特典券の枚数や、希望により、サインの有無・アイドル本人だけの撮影(ソロチェキ)など、バリエーションがありますが、「記念撮影+サイン+会話」がセットになっています。
列に並び、アイドルと交流し、記念としてチェキを受け取る、という流れが、大勢に向けてのライブパフォーマンスに対比し、個人に直接向けられる直接交流となっている構造があります。
実際に体験しないと、この感覚は文章では伝えるのが難しいですね。
ライブ会場では照明を落として音響や光が演出される中、たくさんの人間に囲まれ、その周りの人間たちも陶酔して盛り上がります。このような場の空気も一種の催眠的な効果になっている気がします。
記念品、お土産、としてのチェキ
ライブ・特典会のお土産としての役割もチェキにはあります。
その日の思い出を記念する唯一無二のアイテムです。
またSNSでお披露目したくなるマイグッズでもあり、日々の中で目にすることで元気を得られるアイテムです。
地下アイドル、特典会について~まとめ
アイドルにはまった人たちはいったい何にお金を払っているのでしょうか?
「自分自身の自尊心のため」にお金を払っているのでは、と考えます。
ステージ上で特別な存在になるアイドル達。その特別な存在と特典会で交流するオタク。
その結果、得られるものは、非日常的な自己肯定の満足感です。
人生のなかで、素晴らしい存在と交流することができた!と自己を肯定する気持ちが得られる。これがライブイベントの中で演出されることで、お金を払いたくなる価値が生まれています。
極論すると、アイドルと交流することで「輝ける人生」が担保されます。
名所に旅行する体験にも似ているのかな?と連想しました。
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