漫画「ゴールデンゴールド」 – 感想と微ネタバレ | アニメ化や実写化は?

漫画ゴールデンゴールド感想レビュー

ちょっと他にはあまり無い不思議な感覚が味わえる。
けど読み味はマニアックじゃなくて読みやすい!そんな本作「ゴールデンゴールド」をご紹介します。

たしかしょこたんが紹介していたか何かで知ったのですが、めっちゃ面白かった。

巻数がまだ6巻ですが、内容が濃くてもっとたくさん出ているような印象を受けます。

スポンサーリンク

ゴールデンゴールドのアニメ化や実写化は?

2019年9月現時点ではそのような情報は見つかりませんでした。

しかし同じ作者さんの前作はアニメ化されており、本作は「マンガ大賞に2017年、2018年、2019年と3年連続でノミネート」されていることなどから、前作以上に知名度や作者のファンがついていることから考えるとかなり可能性は高いです。

そして最近の流行で言えば、実写劇場映画にすると同時にアニメ化も決定というのがありえるパターン。
同時に宣伝してしまうってやつですね。

作品の内容展開がかなりはっきりしていることや、アニメ実写化両方にも特に問題ない世界観であることなどから、下手すると2020年にアニメ化、実写化決定するかもしれません。

ただ、コミックスが6巻でここまで展開しているので、この後どれくらい続くかによりますが、まだネタを探してから…、いやいや完結してから…みたいな判断もあるかも…。

ゴールデンゴールド微ネタバレあり感想 – モダンホラーや伝奇ものの枠組みに、現代社会の文脈が勝負を挑む!

まずタイトルを見ても何の漫画かわかりませんインパクトはデカいです。

表紙を見ると可愛らしい女の子となんかよくわからない神様?みたいな物体が。コメディ?能力バトルもの?
何の漫画でもありえそうな雰囲気です。

ちなみに、作者の堀尾省太(ほりおせいた)さんは「刻刻(こっこく)」という能力バトルものを以前発表されています(これも面白い!)。

堀尾省太 - Wikipedia

で、「ゴールデンゴールド」を読んでみた感想としてまとめると、これは「バトルもの」です。
えー?違うよ!と思われる人もいらっしゃるでしょう。
まあ記事を盛るための裏読みってやつです。よろしく!

表面的には「フクノカミという異物に離島の人々が翻弄されていく伝奇風モダンホラー」ですが、それ以上の面白さがあると思っています。

もちろん、キャラクター同士がバトルしているわけではないですよ?

スティーブンキングみたいなモダンホラーな世界、昔からある伝奇ものみたいな世界。
それらと、現代のリアルな人間がガチンコでバトルする、いわば「伝統vs現代」みたいな作品だなと解釈しました。

登場人物や世界観、出来事などネタバレちょいありでご紹介

主人公は本土から離島のおばあちゃん(早坂町子)ちに引っ越して暮らす中学生女子の早坂琉花(はやさかるか)。
離島の同級生、及川(おいかわ)君が好きになっちゃってなんとか仲良くなりたいわけですが、彼はオタクで高校は大阪みたいな大都市で「アニメイトに通うぜ!」とか全然気持ちに気づいてくれません。

そんな中、海でひろった「フクノカミ」に冗談でお願いごとをしたあたりから、本作のホラー展開は開始されます。
ホラーといってもじわじわ来る系です。

人間の金銭への欲望を操り、しなびた離島でガチンコの商売バトルが展開され、ドロドロの人間ドラマに発展。
やさしかったはずのおばあちゃんが急に人格変わっちゃった!的な怖さがあります。

このばあちゃんがもうひとりの主人公とも言える感じで、今は客の来ない民宿をやってますが、フクノカミのパワーでいきなりコンビニをはじめちゃいます。
そこから段々とビジネスばあちゃん(?)化していって…。

しまいには意中の彼まで人格が変わり始めて…。
こんなのわたしの望んだことじゃない!バカバカ!フクノカミなんて死んじゃえ!→木刀フルスイング!!

ボガッ!!

ま、こんな感じっすね。

「フクノカミ」は基本お金を稼ぐ系なので、島がめっちゃ豊かになり、なんか観光地みたいになります。
モンスターが人々を次々に襲うとかじゃないし、島に監禁されてでられない!とかでも無いね。
なんか日常がじわじわおかしくなる、まさにモダンホラー直系の恐怖?でしょうか。
恐怖っていうか「違和感」くらいかな?
もしかしたらこのくらいのことなら現実でもあるかも…」って思うのは恐怖かもですが。

あと、準主人公ポジション?で小説家の姉ちゃん、黒蓮ハネル(くろはすはねる)が出てきます。
小説の取材に島に来たまま巻き込まれる系のポジションです。

この他、恋のライバルポジの同級生モブ子やら、モダンホラーのスパイシーなやられ役の警官キャラ(本作ではうまく立ち回るクレバーなポジション)、一攫千金を狙う山師みたいなおっさん、などなど良い役者が揃っています。

あらすじだけだとダークですけど、絵が割と冷静なデッサンでリアルに描かれているので、そこまで読後感は後を引かないと感じました。
あと登場人物がバカすぎないのが良いですね。

作者のリアルな現代社会の描写が「フクノカミ」の超常現象との差異で効いてる

舞台は尾道らへんだそうで、この作者さんのリアルな描写力で「本当にこういう島あるだろうな~」ってくらいリアルです。
リアルと言えば、画面だけでなく、登場人物の家族や大人のキャラクターの描かれ方がリアルってのもありますね。
ああ、本当にこういうおっさんやおばさんいるよね」っていう発言やリアクションをします。

この辺は寄生獣などにも少し似ていますね。あのクオリティの大人の描写というか。

現代社会は超常現象なんてぶっこわすぜ

漫画といえども、ストーリーの説得力が読んだ時の楽しさにつながるので、いかに超常現象だとしても「なんでもあり」にすればOKというわけはありません。
読者が納得できるような理屈や情動を演出でみせる必要があります。

でも、もし読者が「神様の祟りとかご利益とか信じてなかったら?」実際、現代人は昔の人のようには信じてませんから。
これがゴールデンゴールドの面白さの秘密ではないでしょうか?

ゴールデンゴールドの世界が昭和とか戦前とかなら、離島ということもあり、人々は隔離された社会かつ情報が制限された中でなすすべもなく「フクノカミ」に操られても違和感なく「怖い」でしょう。

ですが、そういう伝統的な怪異譚をスマホやネットが発達した「高度な情報社会」であるところの現代でやってもちょっと苦しい。

どちらかというと条件をガチガチにしたり、登場する世界観自体を「現実とはどこか違う、いかにも怪奇なことが起きてもおかしくない世界」みたいに描写するなど、方法はありますが、現実の世界のリアルとは別の世界の恐怖として表現されてしまいます。

安易にそのまま現実世界に怪異を出してしまうと、登場人物が「まぬけに見えるだけ」現象が起きがちです。たとえば、スマホがあるのに連絡しないとか、やばそうな世界に自ら進んではまっていくとか。
これはホラーではある程度しょうがない問題かもしれません。

ですが本作では、人々の意思が相当自由意志で動きます。
感情移入が可能な人々のドラマとフクノカミの怪異が両立している不思議な漫画です。

おばあちゃん

まず、主人公のおばあちゃんは操られているのか?自由意志なのか?という点で「どちらでもある」みたいな描写をされています。
それどころか元庄屋だった先祖から続く、父の商売に「黄金時代」を夢見ていた青春期。
その時代を取り戻す老後(老後は「Golden Years」とも言うそうです)。
もしかしたら「ゴールデンゴールド」ってばあちゃんの夢のことかな?
っていう気もします。

小説家の姉ちゃん

離島に取材に来たまま「フクノカミ」の現象に巻き込まれるんですが、まあ余裕で島から出たり入ったりできるタイプの怪奇現象なので、自由に動き回り、「フクノカミ」によって変わっていく島の状況に対抗しようとしています。
普通はこういうキャラは真っ先に抹殺されますが、全然ぴんぴんしてますね。

刑事

酒巻海人(さかまきかいと?)というこの刑事。このキャラは島のトラブルから起きた事件を捜査しているうちに、フクノカミの存在に気づきます。

特に秘密というわけでも無いのでばりばり気づいちゃうんですね。
ただし島の人間にはフクノカミは違和感なく人間であるかのように感じさせられているそうです。
さらに島から離れるとフクノカミの記憶が消えるという、幻術のような設定があります。

刑事は事件にせまるうちにフクノカミに協力するようなポジションになります。
この辺が敵味方というわけでもなく、非常に不思議な関係性でおもしろいところです。

…と言う風に、キャラクターはこの不思議な現象に巻き込まれつつも、それを乗りこなし足るわ!という、主導権を渡さない強力な自我を発揮します。
しかし、フクノカミも依然として事態を操り、人間たちの変化を導いていくのです。

このあたり、「古い文化や伝統(フクノカミ)」と「現代の個人主義と欲深さが煮詰まった我々読者も含めたの価値感」のまさにバトルみたいに感じます。

主人公の女の子は何より恋!だがそれ(個人主義)が現代人の強み?

極めつけなのは、主人公の女子中学生がどこまでいっても同級生との恋を最重要に感じているところです(ところどころで、大人への成長や葛藤などもありますが)。
そしてそれを読んでも我々は「ああ、そうだよね」くらいで別に違和感は感じません。

ドラえもんが机から出て来ても、友達になって遊ぶ、みたいな感じでしょうか。

正直言って、今の人間にとって怪異が起きようが何が起きようが、自分のセカイのリアリティが大事なんじゃない?って思っちゃいますね。

それが本来、モダンホラーや伝奇ホラーになってしまっていたはずの本作でフクノカミを木刀でぶん殴って追い出す!みたいな展開にもつながっている気がします。

まとめ

我々読者のリアリティからしたら、フクノカミに対しても、「フィクションにおけるルールや設定=ツール」としてしか感情が動かなくなっている。

お金や欲がどうたら教訓がどうとか、そういう恐れや敬いなどではない。
妥当すべき超常現象!みたいなノリですよね。

そんなストーリーvs読者みたいな構造の作品をこれからも楽しみにしてます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました